私は今年で36歳になる。
36歳の子持ちの女性。これは世の中の男性に言わせてみればビービーエーである。そうBBA。ババア。
自分で自分のことを「ババアだから」とかいう女は心底嫌いなのだけど、「36歳子持ち女性」ともなると、自分のことを自分で「ババアだから」と言わざるを得ない状況になる。空気がそうなる。若い時にはわからなかった新世界が確かに今ここに存在している。
そんな新世界で、口が滑って自分のことを「女子」などと言えば、男性たちは一斉に般若のような目でこちらを睨みつけてくるのである。あー怖っ。「今日は女子会です」って言っただけなのに。この場合は「女性の会」が正しいのかしら。女性の会だなんてなんか政治的なニオイがしてきて嫌なのだけど。
キラキラ眩しくて直視できない熊さんの恋バナ
そんな私BBAは先日、甘酸っぱいようなキラキラした記事を見た。
2017年春、僕はコンビニ店員のお姉さんに恋をした – ポジ熊の人生記
要約すると「熊さんがキレイなコンビニのお姉さんに恋をしたけど諦めた話」(間違っていたらすみません)である。
ポジ熊さんを知らない人からしたら『熊が人間の女の子に恋をする』というなんともメルヘンな話に聞こえてしまうが、実際はポジ熊さんは人間なのでどこにでもある恋バナということになる。
とにかくリアルな恋バナをブログで見たのは久しぶりだった。
だから見ながら「ひゃー///」と言っていた。いや実際は言ってないけれど、心の中で「ひゃー///」だった。
久しくこんな気持ちになっていなかったBBAにはこの記事はキラキラ眩しく感じた。あー私もこんなふうに誰かに想われたい。可愛いと言われたい。もう1度…もう1度…。そんな思いがクルクルした。
私の夫は愛情表現をしっかりする人だが…
突然だが、私の夫は「愛してる」や「可愛い」を言葉に出して結構頻繁に言ってくれる夫である。
なーんだよ。夫に「可愛い」って言われてるじゃん。はいはい惚気乙!かいさーん!といきたいところだが最後まで聞いてほしい。現実は悲しいものだ。
「愛してる」キョロキョロ。
「可愛いよ」キョロキョロ。
最近はこの言葉を言ったあとの夫の目の動きが怪しいのである。完全に目が泳いでいる。クロール…いやバタフライかもしれない。とにかくバッチャンバッチャン激しく泳いでくれている。
私は目がバタフライしてしまうほど本心を隠した「愛してる」や「可愛いよ」が欲しいわけではない。
これは贅沢な話なのだろうか。
36歳の子持ちのBBAがみる夢とは
夫にとって、この世に女性は私ひとりしかいなかったあの時。
周りが全く見えていなかったあの時。
あの頃のまっすぐな瞳で放つ「愛してる」や「可愛い」が私は欲しいのだ。
BBAになったのが悪いのか?BBAになったらまっすぐな「愛してる」「可愛い」は言って貰えなくなるのだろうか。
いや、このうす汚い格好が悪いのだろうか。
可愛さを微塵も感じさせない毛玉だらけのユニクロのフリースが悪いというのか。だってすごく暖かいのだもの。BBAになったら身体がよく冷えるようになった。歳には勝てない。仕方がないのだ。
私は思う。この毛玉ごと愛して欲しいと。
こんな話をまとめてみる
36歳の子持ちのBBA。毛玉だらけの服を着てても中身は乙女なのである。
今夜は毛玉だらけのフリースの下に、可愛いキャミソールを着てみようと思うのだった。
以上、こりのろっさ(@rossa1523 )でした。